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執筆者の写真はるみ 菊池

タンポポを利用してみよう|野草研究家 菊池はるみ

更新日:11月8日






自然の風土が育んだ食材をいただくこと、それが「土食一体」の暮らしです。そして、食材そのものが薬になることを「薬食一体」と言います。


野に咲くタンポポは、まさに「野の菜」であり、同時に薬にもなる食材です。佐渡に自生するタンポポには、在来種の黄花のエゾタンポポや白花のシロバナタンポポ、そして戦後に帰化したセイヨウタンポポやアカミタンポポなどがありますが、いずれも食用になる菜であり、薬効を持つ植物です。『佐渡志』(1816年)には、タンポポを方言で「グチグチナ」と呼ぶと記されています。これは「苦汁菜」に由来する言葉で、葉にほろ苦さがあることがその味の特徴です。


タンポポの柔らかな葉は、茹でてから水にさらし、汁の実や和え物、おひたし、炒め物などさまざまな調理法で楽しめます。また、ドレッシングで和えたサンドイッチは、子供たちも喜ぶ一品になるでしょう。


花は衣をつけて天ぷらに、太い根は細かく刻んで水にさらし、きんぴらにすると美味しくいただけます。干した根を煎ったものは「たんぽぽコーヒー」として親しまれており、風味豊かな代用コーヒーです。


タンポポは、野の草であり、野の花であると同時に、ミネラルやビタミン、葉緑素、酵素を豊富に含む栄養価の高い野菜でもあります。また、全草に薬効があり、母乳の出を促す効能もあります。根の煎じ茶である「たんぽぽコーヒー」は、風邪薬や腹薬としても役立つ薬茶です。


例えば、乳房の腫れには、タンポポの根5gとスイカズラの乾燥花(金銀花)5gを200ccの水で煎じて飲むとよいとされています。単独で使用する場合とは異なる相乗効果が期待できます。


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外来種のタンポポ

最近は外来種のタンポポが多くなりました。

在来のタンポポの簡単な見分け方があります。夏以降にも自生している場合は外来種のタンポポです。


小木地区の田んぼには、春になると、在来種のシロバナタンポポが自生しています。薬種として誰かが持ち込んだものだと言われています。小木地区の医者だった柴田収蔵が、タンポポを処方した記録が残っています。小木にシロバナタンポポが多いのは、そのなごりかも知れません。




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