和名:オケラ(キク科)
方言:オケラ

オケラは「山で旨いはオケラにトトキ」といわれ、山菜として珍重される存在です。トトキ(ツリガネニンジン)よりも味が良いとされ、春先の初物として楽しまれます。
食用としての活用
春早く芽を出したオケラは、最初は綿毛をかぶっていますが、成長するにつれて毛が取れます。この頃が食べ頃とされ、以下のような料理に適しています。
あえもの:おひたしやゴマ和えにすると、爽やかな香りが引き立ちます。
煮物:根の部分を煮込むと、ほのかな苦味が楽しめます。
揚げ物:天ぷらにすると、サクサクとした食感が楽しめます。
薬用としての活用
オケラの根茎は、昔から薬用としても利用されてきました。
薬用の採取方法
採取時期:秋に根茎を掘り取る。
処理方法:細根を取り除き、水洗い後に外皮を剥く。
乾燥方法:2~3日天日干しした後、風通しの良い場所で陰干しする。
服用方法:乾燥させた根茎を煎じて飲むと、健胃・整腸に効果があると伝えられています。
また、オケラの根茎は、梅雨時の湿気払いとしても利用されており、カビ防止のために家の中に吊るす習慣もあったそうです。
オケラは、食用・薬用の両面で活用できる優れた野草です。春には新芽を美味しくいただき、秋には根茎を採取して保存することで、一年を通してその恵みを享受できます。
Comments