和名:アンラン(カリンの品種・バラ科)
方言名:アンラク

アンランはカリンの一種で、バラ科に属する果樹です。見た目はカリンによく似ていますが、果実は非常に硬いのが特徴です。かつては寺社の庭に植えられていることが多かったといわれています。
アンランの利用方法
【砂糖漬け】
アンランは秋になると実をつけます。その実を輪切りにし、砂糖漬けにして保存するのが一般的な方法です。古くから「咳が出るときに食べると効果がある」といわれており、健康を支える果実として親しまれてきました。
【煎じて飲む】
アンランの実は香りが強いですが、干してから煎じてお茶のように飲むこともできます。これも昔ながらの利用方法のひとつです。
【ジュース(シロップ)】
アンランの実を薄くスライスし、砂糖と同量で漬け込むと良質なシロップが作れます。完成したシロップは濾して80℃ほどで煮詰め、瓶に詰めて保存します。長期保存が可能で、水や炭酸水で薄めて飲むと爽やかなジュースとして楽しめます。
【果実酒】
果実酒もアンランの楽しみ方のひとつです。輪切りにしたアンランの実1キロ、ホワイトリカー1.8リットル、糖分200グラムを用意し、これらを一緒に漬け込みます。6か月ほど置くと、香り高い果実酒が完成します。アンランはカリンに比べて渋味が少ないため、飲みやすい仕上がりになります。
アンランと日本の文化
アンランはカリンとともに日本の伝統的な果樹のひとつです。特に寺社の庭に植えられることが多く、長い間人々の暮らしに根付いてきました。咳やのどのケアに用いられるほか、その香りや風味は昔から親しまれてきました。現代でも、アンランを使ったシロップや果実酒は手作りの楽しみとして人気があります。
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